先月の地震の後、今までずっと整体施術してきた患者さんの体が変わっていることが多く、びっくりしています。
体が緊張して硬くなり、バランスが大きくくずれているのです。
肩こりや頭痛、めまい、倦怠感を感じる方も多いですが、特に体調の変化は感じていなくても体が変わってしまっている方もいます。そういう方は、後になって自覚症状が出てきてしまうことがあるので、余計に心配です。
また、お子さんは、一見元気に過ごしているように見えますが、地震やそれに伴う生活の変化に敏感に反応し、それがストレートに体に現れています。
地震の後、いつも揺れているような感じがしたり、疲れがとれない、やる気が出ない、食欲がない、集中力がなくなった、などの症状がある場合、心身ともに緊張して、自律神経が乱れてしまっています。
地震酔いとは?
地震の後、実際には揺れていないのに、揺れているような気がする。ひどい場合は気分が悪くなる。という症状を地震酔いと言っています。
先月の東北大地震の後、この症状を訴える方が非常に多いです。
揺れによって気分が悪くなる
実際に揺れているのを感じて気分が悪くなるのは、車酔いと同じメカニズムです。
冷や汗がでたり、手足が冷たくなったり、めまい、吐き気などが主な症状です。
地震の揺れと自分の平衡感覚がずれてしまい、気分が悪くなってしまうのです。
自律神経の乱れも大きく関係しています。
揺れてないのに、揺れているような感じがする
実際には揺れていないのに、揺れているような気がして緊張したり、気分が悪くなったりするのは、脳が地震の揺れを記憶してそれを再現してしまうことにあります。
たとえば、エスカレータから降りるとき、体が前につんのめるような感じになりますよね?
これは、エスカレーターに乗っているときは、“前に進んでいる” という動きが脳に記憶されていて、エスカレーターを降りた時に、まだその動きが脳に記憶されているために、体が前に進もうとしてしまうのです。
逆に、止まっているエスカレーターに乗ったときは、“エスカレーターは前に進むものだ” という記憶が働き、止まっているにもかかわらず、前に進んでいるような、妙な錯覚が起こったりします。
今回のような大きな地震の場合は、非常に強烈な記憶として脳に残されてしまいます。
『また地震が来るんじゃないか?』という不安がストレスとなり、余計症状を悪化させます。
じっとしている時に感じる
揺れているような錯覚は、じっとしているときに感じることが多いようです。
テレビを見ているときや、机について仕事をしているときなど、ふとした瞬間に、「あれ?地震?」と思って、電気やコップなどの水を見て揺れを確認したりします。
何度もこれを繰り返して、疲れてしまったり、気分が悪くなってしまう方もいるようです。
このような時は、じっとしていないで体を動かしましょう。
少し歩きまわったり、ストレッチをしたりすると、気分がほぐれます。
体も緊張していますので、深呼吸をしたり、気分転換におしゃべりをするのも有効です。
ストレスで疲れやすくなっていますので、しっかり食事を取り、睡眠を十分にとり、体調を整えることも大切です。
地震酔いしやすい人
胃腸の弱い方(胃下垂・逆流性食道炎)、車酔いしやすい人(小さい頃酔った人)は、地震酔いも起こしやすいようです。
また、猫背やストレートネックの人は、頸椎に歪みがあるため、酔いやすいです。
頸椎には、横隔膜につながる神経が出ているので、首が歪むと横隔膜が正常に動かなくなり、呼吸が乱れたり、吐き気を起こしやすいのです。
また、自律神経の乱れも大きく関係していますので、背骨に歪みのある人も要注意です。
地震の後の施術
地震酔いや肩こり・頭痛などの自覚症状がある人も、特に症状のない人も、地震の後は体のバランスが悪くなっている人がほとんどです。
猫背や肩こりがひどくなったり、胃のムカつき(逆流性食道炎)や、三半規管の乱れ(メニエール)などが起こりやすくなっています。
自律神経も乱れがちです。
自律神経は、脊柱の側に通っていますので、背骨を整えてあげることが一番大切です。
背骨を整えると、緊張していた筋肉がほぐれ、体が楽になります。
体が楽になると、気分も良くなってきます。
また、適度な運動をすることは、心身をリラックスさせる効果があります。
体を動かすことにより三半規管も安定してきますので、“いつも揺れているような感覚” もなくなってきます。
今回の大地震では大変な被害があり、気分も沈みがちですが、まず、自分の体を元気にすることが、復興の第一歩だと考えます。
地震の後遺症
大きな事故や大きなストレス(ショック)などにあった後に、精神的後遺症(PTSD、うつ病、パニック障害など)が出ることがあります。
今回も、地震を経験した場所は注意しましょう。経験した所は、脳が覚えていることがありますので、からだの緊張や不安感や動揺や呼吸困難、が出る場合があります。不安な場合は、必ず誰かと一緒に行きましょう。
特に注意 パニック障害や興奮しやすい子供
場所 被災した場所や、 電車の車内、高層のマンション・デパートの買い物中、エレベーターなど
〔行動や自覚症状〕
- 地震後から家から出なくなった
- 地震後からアゴの痛みに伴い開かない
- お腹(胃)の違和感
- 落ち着きが無い
- 動作時に頭がふらつく(立ちくらみ)
- 身体が常に重い
- 背中の疲労感
- 脚が良くツル
- 疲れがなかなか取れない
- スポーツに集中出来ない
- 良く眠れない
〔対策〕
- 以前、行っていた運動(スポーツ)をやりましょう。脳は運動でリラックスします。積極的に身体を動かしましょう。
- 趣味を復活させる。(好きな音楽を聴く、カラオケ、読書、ドライブなど、自粛せずに行いましょう。)
- 遠くへ旅行するのもとても良いです。 行動に地震が無い所にいっただけで脳や身体の緊張がほぐれます。
気分転換が重要です!