側湾症(そくわんしょう)・脊柱側湾症(せきちゅうそくわんしょう)

脊柱側弯症

脊柱側湾症(せきちゅうそくわんしょう)とは?
脊柱が横に曲がってしまう病気です

脊柱(背骨)は、横から見ると前後に自然なカーブを描いていて(生理的湾曲)、正面から見るとまっすぐなのが正常です。

それが、何らかの原因により、正面から見た時に横に湾曲してしまうことを側湾症(側弯症・側彎症とも表記します。)といいいます。横に曲がるのと同時に捻れも加わるのが特徴です。

側湾症には、生まれつき骨の奇形などがある先天性側湾症。原因不明で、成長期に急激に湾曲が進んでしまう特発性側湾症、事故などの外傷や姿勢の悪さなどが原因で起こる機能性側湾症があります。

体の中心である脊柱が曲がってしまうと、肋骨など骨格全体が歪み、腰や背中など体のいろいろな部分に不調が出ます。また、内臓にも悪い影響を与えます。

 

〔特発性側湾症〕

いくつかある側湾症の中で、成長とともに湾曲が進行してしまう原因不明の側湾症特発性側湾症です。患者さんに多いのが、この特発性側湾症です。(突発性側湾症(とっぱつせいそくわんしょう)という方も多いですが、正しくは、特発性側湾症(とくはつせいそくわんしょう)です。)

発症する時期によって、乳児期側湾症学童期側湾症思春期側湾症に分けられます。中でも、思春期側湾症が多く、特に女子に好発します。

成長とともに進行するので、成長期を過ぎれば湾曲の進行は落ち着きます。しかし、湾曲の度合いにより、少しずつ進行したり、年齢とともに筋力が落ちたときに、再度進行する場合もあります。

 

治療法は?

側弯症の場合、一般的には整形外科や専門病院へかかります。

レントゲンを撮り、湾曲の度合いにより処置をしますが、成長期が過ぎるまでコルセットを装着して進行を止めるというのが一般的なようです。

コルセットは、体を強制的にまっすぐに保つように作られます。装着する時間は、夜だけとか、学校へ行っているとき以外とか、寝るとき以外ずっとなど、湾曲の度合いや、主治医の意見によって違います。

成長期が過ぎると、湾曲の進行が落ち着きますので、コルセットの装着も必要なくなります。

また、湾曲が強い場合は、手術をすることもあります。

背骨をまっすぐにするように金属で固定する手術で、湾曲が強く成長期が過ぎても進行が予測される場合や、内臓に悪影響を与えている場合、腰痛などの症状がひどく日常生活に支障をきたしている場合などに手術を勧められるようです。

しかし、明確な治療法が確立されていないのが現状です。

 

当院での治療・・・・装具を使用しない治療

当院では、体の不調はバランスの崩れであると考えますので、側弯症の場合も、体のバランスを整える治療をします。

コルセットなどの装具はお勧めしていません。
整形外科でコルセットを作っても、その後、当院で治療すると、コルセットが体に合わなくなってしまのです。

また、筋力をつけるためにも、大いに体を動かすべきだと考えます。

※成長が著しい時期など、コルセットの装着と当院の治療を併用する場合は、コルセットの調整をこまめに行うようにしてください。

治療例
突発性側湾症患者(小学校3年生男児) 

治療前

治療後


まっすぐ立った時、特に上半身が右に傾いているのが、治療後はほぼまっすぐに整いました。

ちょっとはずかしかったのか、首を左に傾けていますが、普段から左に傾ける癖があるようです。 (写真を撮るときにいつも注意されるとのこと。)

※無痛整体は、即効性があるので、1回の治療で体のバランスが大きく変わります。
特に、初回、2回目の治療は変化がわかりやすいので、保護者の方も一緒に見てください。

定期的な通院を

日常生活で身についてしまった片寄った体の使い方は、短期間ではなかなか直りません。

定期的に通って、バランスを整え、本来の正しいからだの使い方を覚える(思い出す)必要があります。

側湾症は成長とともに進行するので、特に身長が延びる時期は、短い周期で通っていただいたほうが良く、成長が止まるまでは定期的に通院して下さい。

また、成長が止まった後も、日常生活の中で体のバランスが崩れてしまうことも多いですし、側弯症の方は、体に負担がかかりやすいので、その後も通院を続けるようにお勧めしています。

側湾症の治療をご希望の方へ

当院は、医療機関ではないので、診断書の発行ができません
学校などの健診で、診断書を提出する必要がある場合は、整形外科などの医療機関で診断書をもらってください。

側湾症は長期に渡り経過観察を必要とする病気です。
まずは、医療機関を受診し、レントゲンを撮って、症状を確認した上で、ご来院ください。特に、初めて治療をした後は、体のバランスが大きく変わりますので、当院の治療の前に、レントゲンを撮ってください。

また、医療機関では、整体等との併用をオススメしない場合も多いかと思います。
当院のホームページをよくご覧になり、当院の療法を納得の上、ご来院ください。

当院での治療を続けつつ、医療機関のレントゲンでの経過観察をしていくのが理想です。

側湾症の原因は?
特発性側湾症は原因不明

特発性側湾症は原因不明先天性の側湾症や、事故などが原因の機能性側湾症と違って、特発性側湾症の原因は不明です。

細身の女子に多いことから、ホルモンの関係とか、骨格や筋力に原因があるなどとも言われますが、きちんと解明されていないのが現状です。

本人に自覚症状がなく、成長とともに短期間で進行してしまうので、気づいたときにはかなり湾曲が進んでいることが多いのです。

学校などの検診で発見されることもありますが、専門医でない場合は見過ごされてしまうことも多いので、ご家庭でのチェックが大切です。チェックの方法は、下の「側弯症のチェック」を参考にしてください。

 

症状は?

特発性側湾症の場合、湾曲するときの自覚症状はありません

しかし、脊柱が湾曲していると、体のいろいろな部分に負担がかかりますので、腰痛や、肩こり、背中が痛いなどの症状が出ることがあります。

湾曲が強いと内臓にも影響がでて、胃下垂・逆流性食道炎・生理痛・腹痛などが起こったり、胸骨や肋骨の変形により肺活量が減ってしまったり、呼吸器疾患や、心肺機能の低下にる足の浮腫みや疲労感がでることもあります。

具体的な症状のほか、落ち着きがなくじっとしていられない、勉強などに集中できない、運動が苦手、疲れやすいなどという形で出ることも多いです。

若いうちは、外見の異常だけで特に不調を感じないことも多いのですが、年齢とともに筋力が落ちると、やはり体のいろいろなところに痛みやコリなどが出てきてしまいます


当院に通院している側湾症の患者さんでは、小中学生は、筋肉の張り程度で、特に痛みなどを感じていない場合が多いですが、高校生以上の方で不調を訴える患者さんが多いです。

症状は、背中の張り・痛み、肩こり・頭痛、肩甲骨付近の痛み・違和感などが多いですが、生理痛がひどい、いつも胃がムカムカする(逆流性食道炎)などの症状もみられます。

また、背骨が歪むと自律神経も乱れますし、身体が歪んでいることによるコンプレックスを感じることも多く、心身ともに調子が悪くなってしまう場合もあります。

コルセットを装着した場合は、精神的な苦痛はとても大きく、家庭や学校など周りの人の理解が不可欠です。

側湾症のチェック
子どもの体をよく観察すること

学童期の側弯症は、年齢的に保護者の方と一緒にお風呂に入る機会が多いので、お風呂で気づく場合が多いのですが、思春期側湾症の場合は、もう一緒にお風呂に入らなくなっていたり、子どもの服装をいちいち親がチェックしたりしなくなってきて、湾症に気づくのが遅れる傾向があります

また、側湾症の知識がない場合は、歪みに気づいたとしても、見過ごしてしまう事が多く、かなり進行してしまってから、慌てて病院へ連れて行くということになってしまいます。

そうならないために、下記の方法で、定規定に側湾症のチェックをしてください

併せて、体全体のゆがみチェックも行って下さい!!

 

側湾症のチェック方法

1.前屈によるチェック


足を肩幅に開いてまっすぐ立ちます。


両手を体の前で合わせます。


そのまま前屈します。
背中の左右の高さをチェックします。


※側湾症は、回旋(捻じれ)を伴って歪むので、肋骨隆起(肋骨の歪み)が現れます。(構築性側湾)

2.肩甲骨のチェック


まっすぐ立たせて、後ろから背中を見ます。
肩甲骨の高さ、出っ張り方が左右均等かどうかをチェックします。


3.上から見下ろしてチェック


まっすぐに立たせて、首の後ろから、背中を見下ろして、肩甲骨、背中のでっぱりが左右均等かどうかをチェックします。

 

4.お尻の形をチェック

腰部に側湾がある場合は、片方の臀部(お尻)の出っ張りが現れます。

 

かんたんなチェックですので、こまめに行って、早期に発見しましょう!

側湾症の体操

簡単な体操ですが、きちんと行うと、偏った肩甲骨をそろえることが出来ます。

大きな鏡の前で、動きをチェックしながら行いましょう。
できれば、大人の方に見てもらうと良いでしょう。


両足を肩幅に開いて立ちます。(足の開き方を左右均等に。)

バンザイします。このとき、上がりずらい手、上げやすい手をチェック。(判りずらい場合は、バンザイを何度かしてみましょう。)
写真の子の場合は、左手が上がりずらい。(左手が短く見えます。)


上がりずらい方の手首を、反対の手で握ります。

この子の場合は 左手を右手で握ります。


握った方の側に体を倒します。
右側に身体を倒します。
手を引っ張るのではなく、わき腹を伸ばすように。

このままゆっくり3呼吸。

身体をねじったり、前や後ろに傾かないように。
一枚のプレートに側って動かすイメージで。

 



ゆっくり元に戻ります。


息を吐きながらゆっくり手を下ろします。

次は、同じように逆側を行います。

この動作(左右で1セット)を2セット行います。


左右の順番を間違えると逆効果になってしまうので、手の上がり方のチェックは慎重に行ってください。

体操のページもご参照ください。

この体操のポイント

体操前と体操後に、肩甲骨の位置と肩の高さを見てください。

体操前よりも揃っていれば、上手に体操が出来ています。

肩甲骨が揃わない、逆に余計左右差が出てしまう場合は、体操は行わないようにしてください。


普段から気をつけること
姿勢に気をつける!

原因不明とはいえ、なんらかの体のバランスの崩れが側湾症の原因であると考えられます。普段から、左右偏ったからだの使い方をしないように気をつけましょう。

勉強するときの姿勢もとても大切です。鉛筆を持つ手は決まっていますので、左右のバランスが取れた姿勢というのは無理なのですが、できるだけリスクの少ない姿勢をとるようにしましょう。

多く見かけるのが、右利きの場合、左ひじに体重をかけ、左側に大きく体を傾ける姿勢です。
体が斜めになっているので、ノートを斜めにして書きます。

本人は無意識でこのような姿勢をとっていることが多いので、口で注意するだけでは治りません。肩に手を置いて、体をまっすぐにして、これがまっすぐな姿勢だということを教えてあげましょう。

絶対にやってはいけない姿勢

  • 横座り、ぺやんこ座り(アヒル座り)
  • テレビを見るときや本を読むとき、ねっころがって片肘をつく
  • 腹ばいで本を読んだりゲームをする

うつ伏せで寝るのも良くありません。うつ伏せで寝ると、必ず顔をどちらかに向けますよね。たいてい、自分の向きやすい方向を向いて寝ますから、いつも偏った姿勢で寝ていることになります。
首を横に向けると、胴体(肋骨)も連動して形を変えます。偏った胴体の形で仰向けに寝ると、圧力がかかりますから、全身が歪むのです。

本人が、この姿勢は良くないかな、と気にするようになるのがベストですね。

側湾症が女性に多いのは・・・・整体的な考え

側弯症が女性に多い原因は、女性特有の生活習慣ではないでしょうか?

「横座り」は骨盤を傾け、背骨に大きな負担がかかります。
男性で、「横座り」する人はあまりいませんね。

「あぐら」は骨盤にとって良いポーズですし、背骨に優しいポーズです。

本来は、きちんとした正座が良いのですが、長時間正座をしていると、いつのまにか横すわりになってしまうことが多く、側湾を助長します。

女性があぐらをかくのはちょっと恥ずかしいですが、正座がきつくなったらあぐらをかくようにしましょう。

また、小さな女の子がよくする、アヒル座り(ぺちゃんこ座り、おねえさん座り)は、体に最も悪い座り方です。絶対にしないようにしましょう。(足首が本来の向きとは逆になるから。)

座り方を見直すだけで体は大きく変わります。

 

出来るだけ体を動かす!

姿勢の矯正には、体を動かすことがとても大切です。

いつも同じ姿勢ばかりをしていると、決まったところが凝ってしまいます。勉強やゲームなど、同じ姿勢で熱中した後は、思い切り体を動かしましょう。

子どもの肩こりのページでも書いてありますが、子どもは悪い姿勢をしていたとしても、体をたくさん動かしているうちに、元に戻ることが多いのです。

元気に体を動かそう!体を動かすために、なにかスポーツを始めるのはとても良いことですが、1つの競技に絞らずに、いろいろな運動をするのが理想です。

特にスポーツ教室に通うなどしなくても良いので、体を使った遊びをたくさんしましょう。

そして、運動の前後には、準備体操、整理体操を必ずすること!!

側湾症は、成長期を過ぎて進行が落ち着いたとしても、年齢とともに筋力が弱ったときに進行する可能性があります

日ごろから、できるだけ体を動かす習慣をつけて、筋力を保つようにしましょう。

 

骨を丈夫に!!

脊柱が曲がっているということは、それなりに不自然な負荷がかかります。
脊柱がまっすぐな人に比べてリスクが大きいので、骨を丈夫にしておかないといけません!

骨粗相症などにならないように、栄養の面でも気を遣いましょう。

過度なダイエットは厳禁です!

 

早めに体のバランスを整える!

特発性側弯症は、原因不明とはいえ、なんらかの体のバランスの崩れが原因であると考えられます。

小さい頃から、体のバランスが崩れていると、成長する過程でいろいろな不都合が生じます。側湾症もその一つであるといえます。

できるだけ早いうちに、まっすぐな姿勢を覚え、バランスの取れたからだの使い方を身に着けましょう。

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