偏頭痛
子どもの偏頭痛
まずは偏頭痛かどうかを確かめよう
大人の頭痛と思われがちな偏頭痛ですが、子どもにも起こります。
小さい子では、3~4歳で起こす場合もあります。
体質によることも多く、特に母親が偏頭痛持ちの場合、子どもに偏頭痛が起こる確率が高いようです。
頭痛は、一次性頭痛(機能性頭痛)と二次性頭痛(症候性頭痛)とに大分されますが、偏頭痛は一次性頭痛に分類されます。
一次性頭痛は、病院で検査をしても異常が認められず、「頭痛もち」といわれる頭痛です。
二次性頭痛は、脳や体の病気が原因で発症する頭痛です。命にかかわる重大な病気の可能性もあります。
お子さんが「頭が痛い」と言ったら、勝手に判断せず、まずは病院で検査を受けることをお勧めします。
検査の結果、偏頭痛だと診断されたら、少しでも頭痛が軽くなるようにケアしましょう。
仮病と誤解されやすい子どもの偏頭痛
仮病?
子どもの偏頭痛は、その発症の仕方から仮病と間違われてしまうことが多くあるようです。
- 大人の偏頭痛は、一度起こると半日~数日間と長く続くのに対して、子どもの偏頭痛発作は短く、急に痛がったと思うと、数時間後にはケロッと治ってしまう。
- 偏頭痛はストレスから開放されたときに起こりやすいので、学童の場合は、学校帰りや夕方に起こり、週末はすっかり元気になる。
- 子どもの偏頭痛は、大人の偏頭痛のようにズキンズキンと脈を打つように痛むだけでなく、頭全体がギューっと締め付けられるような痛みを伴うこともあり、子どもが自分の症状を上手に伝えられない、
本当に痛いのに、誰にも理解してもらえないというのは、非常につらいものです。
お子さんにつらい思いをさせないように、子どもの偏頭痛の特徴を知っておいてください。また、子どもの偏頭痛は腹痛や下痢、嘔吐などを伴うことがあります。
低年齢の子どもの場合、周期性嘔吐症(自家中毒)と合併して起こることも多いようです。
※周期性嘔吐症のページもご参照ください。
子どもの偏頭痛の原因は?
きちんと解明されているわけではありませんが、三叉神経血管に関係しているという説が有力です。
ストレスにより緊張していた血管が、ストレスから開放されたことにより緩み、それが過度になると、急激に拡張された血管が三叉神経を刺激し、ズキンズキンと脈にあわせて痛むというものです。
大人の場合は、偏頭痛の前兆として、目の前にキラキラしたものが見えたり、光や匂いに敏感になることもあるようです。
バランスの崩れも影響しています
偏頭痛がある子どもは、肩こりや自律神経失調症を合併している場合がほとんどで、体のバランスの崩れも影響していると考えられます。
当院に頭痛で来院される患者さんの多くに、姿勢の乱れによる首の緊張が診られます。
首は、重い頭を支えているので、少しの体のバランスの崩れが影響する部位です。
首(頸椎)は、脊柱の上から7つ目までの骨で構成されていて、それぞれがスムーズに動くことによって、首を前後左右に動かすことが出来るようになっています。
脊柱は、横から見るとゆるいS字カーブを描いていて、これを生理的湾曲と呼ぶのですが、このカーブの乱れが、首や体のいろいろな部分に不調をもたらします。
子どもは脊柱の形成が未発達であり、脊柱の生理的湾曲(S字カーブ)が完成されていません。
更に運動不足による筋力の低下により、S字カーブがきちんと形成されないばかりか、姿勢を維持する事が出来ない子どもが増えています。
脊柱は、長い年月をかけて作りあげられます。S字カーブの形成の乱れが、いろんな病気に波及しますので、子供の姿勢をしっかりチェックして下さい。
- 正座がきちんとできるか。
- あぐらがかけるか。
- まっすぐに立っていられるか。(傾いていないか。)
- 首の回旋がきちんとできるか。(前後左右に均等に動かせるか。)
※子どものゆがみチェックはこちら。
猫背などの姿勢の悪さは、体全体の歪みですので、できるだけ早いうちにバランスを整えることが大切です。
※脊柱の生理的湾曲(S字カーブ)についてをご参照ください。