女性は、出産のため仙骨が短く出来ており、仙腸関節や恥骨結合が歪みやすい構造です。
出産する時に開いた骨盤は、出産後、1~2ヶ月かけて、左右の腸骨が、右、左、右、左、と順番にゆっくりと元に戻るのですが、正しい位置に戻らずに固定されてしまう場合が多く、体に不調が出てきます。
体が歪むと、筋肉、内臓の活動が正常な状態に戻らず、体調がすぐれなかったり、代謝が悪くなり太りやすくなったりします。産後、体重が元に戻らないことも多いです。
出産後は、だれしも骨盤が不安定ですので、早めに本来の位置に調整するべきです。
自覚症状がなくても矯正してあげるのが望ましい のです。
また、妊娠前から歪んでいた方は、出産後の不安定な時期に、きちんと調整することによって、正しい位置へ戻すことが出来るチャンスでもあります。
体の体温が左右で違う?
体が歪んでいるときには、左右の体温に違いが出ます。
左右の脇で体温を測ると微妙な差があります。
骨盤がきちんと正常な位置に戻った時、体温も左右均等になります。
産後は安静に
出産後、1ヶ月は出来るだけ体を動かさないようにしましょう。
赤ちゃんのお世話と自分のおトイレなどの最低限のことだけにとどめ、家事はいっさいやらないことです。
昔は、産後は水に触るなと言われていました。
水仕事=台所仕事は立ちっぱなしで体にとても負担がかかります。また、水を触ることで体も冷えてしまいます。また髪を洗ってはいけないとも言われていますが、これも、髪を洗うことによってからだが冷えてしまうからです。
産後の足腰に負担のかかる立ち仕事と、体が冷えてしまう水は大敵なのです。
しかし、最近の核家族化の増加によって、産後ゆっくりと寝ていられない方が増えています。
また、昔からのありがたい助言を、軽く受け流してしまう傾向もあり、「動けるから大丈夫」と、産後すぐに一生懸命家事をしてしまうのです。
自分は大丈夫なつもりでも、体はまだまだ安静が必要です。
後のためにも、産後は出来るだけ動かないようにしましょう。
それには、ご主人をはじめ、ご家族の協力が必要です。大切な命を生み出した体をみんなでいたわってあげて下さい。
産後の歪みの影響は後から出てきます
産後ゆっくり休めなかったりして、仙腸関節がきちんと元に戻らずに、歪んだまま固定されてしまった場合、後になってから体のいろんな部分に不調が出てきます。
何十年も経ってから、体に不調が出て、整体院へ行ったら骨盤が歪んでいるといわれ、その原因が、出産後の歪みであることが多いのです。
出産後、体形や体調が変わったという事をよく耳にしますが、それも、骨盤の歪みが原因です。
恥骨痛
恥骨は、左右の骨盤が合わさる部分です。骨盤が歪んで左右の恥骨がずれてしまうと、痛みが出ます。ひどくなると歩けなくなってしまうこともあります。
尿漏れ
出産時に骨盤底筋肉(骨盤を支える筋肉)が弛緩してしまい、それが戻らずにいると、年齢的な筋機能の低下も加わり、尿漏れなどの症状がでます。
過活動膀胱
出産後に骨盤が下がり気味になることによって、過活動膀胱になってしまうこともあります。頻尿やトイレが我慢できないなど、日常生活に支障が出ることが多いので、注意が必要です。
産後の歪みチェック
産後、以下のような症状がある方は、早めに正常な状態にしましょう。
- 頭痛がひどくなった
- 首肩痛がひどくなった
- 顔の歪みが気になる
- 腰痛がひどくなった
- 生理痛がひどくなった
- 便秘になった
- 股関節が痛い
- 産後歩くのがつらい
- 産後、尿失禁で困っている
- 産後、恥骨の痛みが治らない
- 母乳が出にくい、または出ない
- 母乳が片方しか出ない
- ウエストのくびれが左右違う
- 普段過ごしているうちに、スカートが回ってしまう
- へそが傾いている、へそが真ん中にない
- 産後、仰向けに寝れなくて、足が伸ばせない
- 産後、眠りが浅くなった
- 仰向けに寝たときに、体幹が左右均等につかない (肩胛骨、背中、腰、腰臀部)
- 産後、立った姿勢で、身体が傾く
- お産する前より、横座りする機会が多くなった
- 足がむくみやすくなった
- お腹、腰回りの左右の脂肪のつき方が違う
- 産後、下半身太りになってしまった
他にも、出産前と違うところがあったら書き留めておきましょう。
できるだけ早く体を整えましょう
体調が悪くなってから施術をするよりも、早いうちに骨盤が正しく元に戻るように導く骨盤矯正をしてあげた方が合理的ですよね。
骨盤は、出産後1~2ヶ月間はとても不安定です。その間に、強い力などを加えるのは望ましくないので、マッサージや整体は3ヶ月以上たってから受けるようにと指導されることが多いですが、当院の施術は、一般的な整体とはまったく違った療法です。
手足を軽く操作し、筋肉に適切な刺激を与え、自然治癒力を高める療法です。体に無理な力を加えたりしませんので、産後のデリケートな体にも安心して受けていただけます。