ケガをすると全身が歪みます
怪我をしたら、まずは病院へ行きましょう。
骨折しているかどうか、腱が断裂しているかどうかなどは、病院でないと診断できません。
切り傷などの処置も、病院でしてもらいましょう。
そして、同時に整体で体を整えることが大切です。
なぜかというと、ケガをすると体が歪むからです。
体というのはとてもよくできていて、体の一部の不調を他の部分で補う(身体を歪ませて帳尻を合わせる)のです。
そのため、ケガをした部分以外にも大きな負担がかかります。
怪我をきっかけに体調が悪くなったり、その後も立て続けに怪我をしたりする場合は、体が大きく歪んでいる可能性が高いです。
子どもの頃の怪我が…!?
厄介なのは、まだ筋肉に柔軟性のある若い頃に怪我をした場合、ケガの後に体が歪んでいたとしても痛みや不調として現れることが少ないことです。
ですから、歪みに気づかずにそのまま生活を続け、じわじわと歪みが大きくなり、何年も経ってから痛みや不調が出るのです。
当院の患者さんの多くは、過去の怪我が原因で体が歪んでしまった方です。そして、みなさん、その事に気づいていないのです。
首の痛みの原因が、子どもの頃の足首の怪我からくる歪みだったなんて、想定外ですよね。
怪我の後の小さな歪みがじわじわと大きくなる…前に、きちんと体を整えてあげましょう。
骨折・捻挫・打撲
骨折や捻挫をした場合、筋肉は相当なダメージを受けています。
固定して動かさないことが最大のケアという考え方もありますが、ケガによって緊張したり緩んだりした筋肉を整える必要があると考えます。
筋肉のバランスを整えてあげれば、骨も元の場所に戻りやすくなりますし、血行が良くなることで骨の再生も促されます。
骨と筋肉は、同時に施術してあげるのが理想なのです。
また、ケガをすると、その部分だけでなく全身が歪みますから、全身を整えてあげなくてはいけません。
癖になっている人は要注意!!
「捻挫が癖になっている」という場合、その部分に不自然な負担がかかっているから同じところを何度も捻挫するのです。
また、捻挫のダメージが完全に治らないうちにスポーツを再開すると、身体は自然とその部分をかばおうとして、本来の正しいフォームが取れなくなります。
結果的にバランスが悪くなり、弱い部分(ケガが治っていない所)をまた痛めてしまうことになるのです。
ケガが完治するまでは、その部分に負担のかからない運動にとどめておくことと、全身の歪みを治してからスポーツを再開することが大切です。
せっかくケガが治っても、体が歪んでいれば、また同じ結果になってしまうからです。
当院での施術
当院の施術は、骨をぽきぽき動かすのではなく、筋肉を優しく刺激して本来の正しい位置に戻るように促す施術ですので、ケガの後のケアとして最適です。
また、筋肉は全身繋がっていますから、ケガをした部分から離れた箇所を施術することで連動して痛めた場所の筋肉を整えることができます。
ギプスや装具を付けていても施術できますから、激痛が治まり、寝返りが打てる程度に回復したらできるだけ早くお越しください。
切り傷・火傷
跡が残るような深い傷を負った後、いつまで経っても傷跡の周りがなんとなく痛い、どこの場所かはっきりわからないけれど凄い違和感がある、などの症状が残る場合があります。
お天気が悪くなると古傷が痛む というのもよく聞きますね。
深い傷は、皮膚だけでなく、脂肪や筋肉や筋膜まで傷んでいます。
ケガをした後は体が大きく歪んでいるので、そのままだと、それぞれの組織がねじれた状態でくっついてしまうことになります。
傷の治りも悪いですし、治ったとしても、体は歪んだままになり、後々まで影響します。
筋膜の癒着
ケガをすると、筋膜が癒着したりねじれたりします。表面に見える怪我の傷は治っても、筋膜の癒着は残る場合が多いのです。
筋膜は、全身繋がっているので、一部に癒着やねじれがあると、周囲へ大きく影響します。
※筋膜についてはこちらのサイトをご覧ください。
ちょっと厄介なのは、筋膜が癒着を起こしている部分と別の場所に症状が出ることです。
なので、痛いと感じるところをマッサージしたりシップを貼ったりしてもなかなか痛みが取れません。本人も、どこが痛いのか良く分からない場合も多いです。
最近、「筋膜リリース」とか「筋膜はがし」といった言葉を聞くようになりましたが、これはまさに、癒着した筋膜を元に戻して体調を整える、という施術です。
当院は、筋膜リリースを専門に行っているわけではありませんが、筋肉などに刺激を与えて全身を整えるという観点で共通した考え方に基づいた施術を行っています。
軽いケガでも影響あり
ちょっとした指先の怪我や火傷でも侮ってはいけません。
指が痛いと、それをかばっていつもと違う動きをしますよね?普段使わない指を使ったり、いつもと逆の腕を動かしたり。
全身への影響は大きいのです。
筋断裂、肉離れ
筋断裂は、腱(筋肉が細く集まった部分)が完全に切れている状態を言います。アキレス腱断裂や前十字靭帯断裂などの大きな靭帯の断裂のほか、指の腱や顔の腱などの細かい筋が断裂することも多いです。
腱が切れた場合の施術は、保存療法と手術療法があります。
・保存療法…切れた腱が接触する位置で関節を固定し、自然に腱が再生するのを待ちます。
・手術療法…切れた腱を縫い合わせます。保存療法よりも早く繋がります。
肉離れは、筋肉がちょっと損傷を受けたという軽いものから、ぶっちり切れてはいないけれどもそれ相当の筋の部分断裂が起きていて自力で動かすことができない重傷なものまであります。
重傷の場合は、ギプスで固定して回復を待ちます。
断裂の場合も、肉離れの場合も、歪んだ状態で再生を待ってはいけません。
歪みを整え、本来の状態に戻るように仕向けるべきです。
まずは病院で外科的な処置をしてもらい、同時に整体で体を整えることが必要です。
↓ケガではありませんが、腱関連のお話
眼瞼下垂(がんけんかすい)
瞼の腱(筋肉)が緩み、目が大きく開くことができなくなります。もともと瞼の腱がゆるい人もいるのですが、高齢者に多い症状です。
瞼が上がらないと周りが良く見えませんから、弱い瞼の筋肉を補うために、頭の筋肉を使って目を開こうとします。また、あごを突き出して物を見る癖がついてしまう人もいます。結果、頭痛や首痛、肩こりなどの症状が現れます。
形成外科などで、弱くなった腱を再建する手術や、二重にして目を開きやすくする手術が行われています。
眼瞼下垂の外科的施術は、病院でしか行えませんが、眼瞼下垂に伴う頭痛や肩こりなどの症状は、逆に整体院でしか診てもらえない事が多いです。
交通事故など
交通事故や高所からの転落などの事故の場合、目に見える怪我の場所以外の全身をチェックする必要があります。
よく、交通事故でその時は大丈夫だったけど数日後に首が痛くなった、など聞きますね。
どこを打ったのかよく覚えていなくて、後になって、ここにもあそこにもアザが出てきたという場合も多いです。
事故に遭ったら、とにかく病院で検査を受けてください。思いがけないところを負傷している可能性があります。
そして、全身を整えてあげなくていけません。
身体のバランス
「事故をきっかけに、自分の体が自分じゃないような気がする」と訴える患者さんがとても多いのですが、それは、全身のバランスが急激に崩れてしまったからです。
身体のバランスはとても絶妙なので、ちょっとでも狂うと相当な違和感があります。
徐々に体が歪んでいった場合は、気が付かない事が多いのですが、事故などで突然バランスが狂ってしまうと、本当に自分の体ではないように感じますし、実際、今までなかった不調が出てきます。
ちょっと余談ですが…
「産後に体調が変わった」という女性、多いですよね。
妊娠・出産は、身体にとって、大激変な出来事です。
わずか数カ月で体重が一気に増えて、お腹がせり出し、重心が変わります。
そして、子供が生まれた瞬間、またもや全く違う体になるのです。
本来、産後にきちんと養生していれば、元の体に戻るはずなのですが、もともと体に歪みがあったり、無理をして動いたり、以前と生活が変わった、などの要因で、体が歪んだままになってしまうと、「体調が変わった」となるのです。
私たちの体は、常に全身でバランスを取っています。どこか不調があると、それに合わせて体を歪ませて帳尻を合わます。
事故などの急激なバランスの変化にも、体は一生懸命対応しようと頑張ります。頑張って、体を歪ませるのです。
ですから、体が歪む前に、できるだけ早く、元のバランスに戻してあげる事が大切なんです。
つまづいたらチェック!
交通事故などの大きな事故以外でも、ちょっと躓いて転んでしまったり、階段を踏み外した、など、普段はあり得ない衝撃を受けると、体のバランスが崩れます。
その後、少しでも違和感を感じたら体の歪みのチェックをしてください。
