神経痛は、何らかの原因で神経が刺激されて痛みやしびれを感じる症状で、病名ではありません。
良く知られているところだと、坐骨神経痛、肋間神経痛、三叉神経痛(顔面神経痛)などですが、神経のある部分にはすべて神経痛が起る可能性があります。
原因となるケガや病気がある症候性神経痛(神経障害性疼痛)と、原因が不明な特発性神経痛(原発性神経痛)に分類されます。
神経の痛みとは?
私たちが感じる「痛み」には、炎症の痛み、神経の痛み、心理的な痛みと3つの種類があります。
一般的な痛みは、「炎症の痛み」で、 ケガや病気で患部に炎症が起こると、その部分に痛みの物質が発生し、それが脳に伝わり、痛みを感じます。
この痛みは、炎症が治まるにつれて軽減し、完治すれば痛みは消えていきます。
それに対して、炎症が原因ではなく、何らかの原因により、神経が刺激を受けることにより発生する痛みを「神経の痛み(神経痛)」と言います。
心理的な痛みは、炎症や神経の刺激などの要因が見当たらないのに痛みを感じる症状です。
神経痛の特徴は、
- しびれを伴うような痛み
- ビリビリと電気が走るような痛み
- 鋭い痛みが間隔をあけて何度も起こる
- 軽い刺激でもひどい痛みを感じる
- 感覚が鈍くなる
- 特定の姿勢や、くしゃみなどで痛みが起こる
などです。
ケガなどの痛み(炎症の痛み)は、患部が痛みますが、神経の痛みは、刺激を受けた神経が繋がっている部分に痛みが発生します。 たとえば、腰で坐骨神経が圧迫されていることが原因で足先が痛む、などです。
痛みが出る可能性のある範囲が広く、原因となっている部位が特定しづらいのも神経の痛みの特徴です。
痛みが起こると、筋肉が緊張し血行が悪くなります。すると、さらに多くの痛みの物質が発生し、悪循環を起こします。
また、痛みが長く続くことで、良く眠れなかったり不安感が強くなったりと、精神面にも影響し、心理的な痛みと組み合わさって治りにくくなることがあります。
主な原因
■症候性神経痛(神経障害性疼痛)は、病気や怪我が原因で、神経が刺激されて起こります。
神経痛(神経障害性疼痛)の原因疾患例
- 帯状疱疹の後遺症
- 糖尿病神経障害
- 脳卒中などの脳の病気
- 脊椎損傷
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
また、最初は炎症性だったものが、痛みを長く感じることで神経が刺激され、神経の痛みが起こることがあります。
手術後に傷は治ったのに痛みが続く場合や、ぎっくり腰後の慢性の腰痛などです。
■原発性の神経痛は、ストレス・疲労・不良姿勢により起こると考えられています。
原発性神経痛の原因と考えられるもの
- ヘビ背(機能性側弯症)
- 骨盤の歪み
- 不良姿勢(長時間の偏った姿勢)
- ストレスによる緊張
主な施術法
対症療法を行いつつ、神経の痛みの原因を調べます。
原因疾患が分かれば、その施術を行います。
原因疾患が治っても痛みが続く場合や、原因が分からない場合は、主に下記の施術を行います。
薬物療法・・・・鎮痛剤、神経ブロック注射など
リハビリ療法・・・・体の機能回復
脊髄刺激療法・・・・脊髄を電気刺激することによって痛みを取る
年配の方の中には、「もう年だから痛くてもしょうがない」とか、「我慢は美徳」と、痛みを我慢してしまう方も多いようですが、我慢し過ぎると、神経が過敏になり、痛みが慢性化してしまう事があります。
痛みは身体を緊張させますから、血行が悪くなり、余計痛みを感じやすくなってしまうのです。
強い痛みは我慢せずに、少しでも軽減されるような施術を受けましょう。
ゆがみが原因の場合
病院で検査をしても病気が見つからず、原因もわからないという場合は、体の歪みが原因であることが多いです。
病気やケガがなくても、体が歪み、神経を圧迫していれば、神経痛が起こります。
また、ケガや病気が原因で、体の機能に障害がある(関節が正常に動かない)場合も、神経痛が出やすいです。
体の歪みを整えて、関節の動きを正常に近づけていくと、神経の圧迫や刺激が軽減し、血流が回復し、痛みも軽減されていきます。
