自分のおっぱいの事、分かっているようで、意外とわかってない場合が多いものです。
どうやって母乳が作られるのか、どんな感じで母乳が出るのか。
その時になって初めて、へ~!そうだったのか!って思うんですけど…。
できれば、事前にしっかりと学んで準備しておきたいですね。
乳房のしくみ
乳房には、乳腺が15~20ほどあり、ここで血液が母乳へと作り替えられます。
乳腺の数は個人差がありますが、乳房の大きさとは関係ありません。
バストが大きい方がたくさんおっぱいが出そう、とか、逆にバストが大きい人は出ない、とか聞きますが、あんまり関係ないのです。
乳頭には、乳腺と同じ数の乳口があるので、おっぱいはシャワーのように出ます。哺乳瓶のように一か所から出るのではないんです。(私は、自分のおっぱいが出るのを見て初めて知ってビックリしました。)
母乳が白いのはなぜ?
母乳は血液から作られます。
基底部から取り込まれた血液は、小葉で母乳へと作り替えられます。その際に、赤血球は取り込まれないので、母乳は白いのです。
母乳が出るしくみ
赤ちゃんが生まれると、「プロラクチン」というホルモンが分泌され、母乳が作られるようになります。
そして、「オキシトシン」というホルモンにより、母乳が乳頭へと運ばれます。
赤ちゃんがおっぱいを吸うことで、この2つのホルモンが活発に分泌されるようになるのですが、産後すぐには、まだホルモンの働きが安定しないので、母乳の出が悪いことが多いです。
また、このホルモンは、子宮を収縮させる作用もあります。お母さんの産後の回復にも必要ですから、母乳があまり出なくても、赤ちゃんに繰り返しおっぱいを吸ってもらうことがとても大切なんです。
ストレスで母乳が出なくなる?
赤ちゃんの事を考えたり鳴き声を聞いただけで、おっぱいが張ってくるのは、「オキシトシン」の働きです。
お母さんの情緒と連動しているホルモンなので、ストレスを感じると分泌が悪くなります。
なかなかおっぱいが出ない、と悩みすぎると、逆にオキシトシンの分泌が悪くなり母乳が出なくなってしまうので、『足りなかったらミルクを足せば良いや。』くらいな気持ちでゆったりと構えましょう。
体質や体調により、おっぱいが出ない事も多々あります。おっぱいが出ないのは愛情不足、という事ではありませんから、気にしないでくださいね。
身体の歪みと母乳
身体の歪みと母乳の出は関係ないと思われがちですが、実は、大きく関係しているんですよ。
体に歪みがあって、乳房が窮屈な状態であれば、乳腺がねじれたりつぶれたりします。乳腺は妊娠中に発達するのですが、その時点から歪みがあると、しっかりと乳腺が発達できません。
そして、母乳の素である血液の循環が悪ければ、母乳は少ししかできなくなってしまいます。
また、母乳を出すためにはホルモンの働きが重要なのですが、首にゆがみがあると脳からの指令がうまく伝わらなくなり、ホルモンの分泌にも影響が出ます。
身体に歪みのある人は、産後の体の回復にも影響しますし、乳腺炎などのトラブルを起こすことも多いです。
育児は、まずはお母さんが健康であることが一番大切です!
妊娠中から体を整えることはもちろん、産後もできるだけ早く緩んだ骨盤を整えて、健康な育児を目指しましょう。
「差し乳」と「溜まり乳」
「差し乳」とは、普段はあまりおっぱいが張らず、赤ちゃんが吸い始めるとおっぱいが作れるタイプを言います。
逆に、「溜まり乳」は、授乳間隔が開くと、おっぱいが張って来て、赤ちゃんが吸うと張りが落ち着くタイプです。
「差し乳」と「溜まり乳」は、体質によるものですが、不思議なことに、右側は差し乳だけど、左側は溜まり乳、という事も多いんですよ。
差し乳
一般的には、差し乳の方が、新鮮なおっぱいを与えられるので良いと言われますね。
しかし、差し乳の場合、赤ちゃんが吸ってくれないと母乳が出ないので、搾乳が難しいのです。断乳までずっと赤ちゃんと一緒に過ごせる環境ならば良いのですが、仕事復帰などで、どうしても直接赤ちゃんに飲ませられない時は、ミルクを利用する場合が多いようです。
また、乳が張らないので、うっかり授乳の間隔が開いてしまいがちです。
お腹がすけば赤ちゃんは泣いてくれるのですが、ちょっと月齢が行くと、授乳の時間になっても熟睡している事も増えてきます。
そして、授乳の間隔が開いてくると、だんだんとおっぱいが作られなくなってしまいます。
差し乳の人は、授乳時間をしっかりと管理してくださいね。
溜まり乳
「溜まり乳」の人は、授乳間隔が開くと、おっぱいが張って痛くなり、母乳が乳頭からしみ出して来ます。
あまりにもおっぱいが張っている時は、母乳が勢いよく出て、赤ちゃんがむせってしまう事があります。赤ちゃんが吸う前におっぱいが勢いよくビューっと飛び出て、赤ちゃんの顔がびしょびしょになってしまう事も…(^^;
張りが強いときは、少し搾乳して落ち着かせてから赤ちゃんに飲ませましょう。
美味しいおっぱいを作るために
母乳は、100%お母さんの血液から作られます。
ですから、お母さんの体調や、食事によって質も味も変わるのです。
搾乳をした母乳をしばらく置いておくと、透明な部分と白い部分に分離します。
上の透明な部分が脂肪分です。
お母さんが脂っぽい物や甘いものを摂り過ぎると、脂肪分が多い、美味しくないおっぱいになってしまいます。
美味しくないので赤ちゃんの飲みも悪くなりますし、乳腺が詰まって乳腺炎になる確率も増します。
授乳中はとってもお腹がすくので、ついついこってりしたものを食べたくなってしまうのですが、赤ちゃんは自分が作ったおっぱいだけで大きくなるんだという自覚をもって、栄養バランスに気を付けた食事を心がけてください。
また、アルコールや喫煙も避けてくださいね。
搾乳した母乳を飲ませる場合
仕事などで、赤ちゃんに直におっぱいをあげられない時は、おっぱいを搾乳して冷凍保存しておくと便利です。母乳の冷凍保存袋が市販されていますので利用してくださいね。
搾乳した母乳は、透明な部分と白い部分に分離しますので、飲ませるときはしっかり混ぜてください。
また、温め直しをする時は、レンジではなく湯せんが良いと思います。
沸騰させて火を消したお湯に、凍ったままの母乳を袋ごと入れて溶かしましょう。混ぜながら様子を見て、人肌程度に温めて飲ませてください。